文化圏2014年09月23日 01時31分27秒

先日友人の会社のお仕事を手伝った時に思ったのですが。
業界の中でもほぼ同じような仕事場なのに、文化圏が違うな。と。

友人の会社は大手週刊漫画雑誌関係の仕事をしてる会社でして、その時の会話の中で漫画家さんのことを「先生」と呼ぶんですよ。
や、編集さんや回りの人が漫画家さん本人に向かって「先生」と呼ぶのは普通だと思うし私もそう呼ぶだろうと思うんですが、編集さんや制作スタッフさんが外部の関連受注スタッフ(→私)に対してもそこに居ない漫画家さんのことを「先生」と言うんですね。
「この部分は先生のチェック待ちになるので少し止めでお願いします」とか。

それに対し、私がやってるゲーム雑誌界隈では、編集さんが漫画家さんに向かって直接どう呼んでるのかは知りませんが、少なくとも編集さんが私に向かって漫画家さんを呼ぶ代名詞として使う言葉は「作家さん」なんですよ。
「この部分は作家さんのチェック待ちになるので少し止めでお願いします」とか。

で、思ったんですが、
見てる人は少ないだろうと思いますがNHK教育(あ、今はEテレか?)でやってる「ニッポン戦後 サブカルチャー史」の第8回90年代(1)で、「サブカルチャー」が「サブカル」になったのが90年代。という言い方をしていたんですね。
正統的文化(番組では「権力」と表現してた)に対して生まれたカウンターカルチャーである「サブカルチャー」が、90年代には、バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件等による時代変化とともに確固たる対立軸を失い、それぞれの興味が向かう先でしかないという単なる個々のベクトルのみと化した「サブカル」へと移行したのが90年代だという分析を。

これか。と。
これが「サブカルチャー」と「サブカル」の境目か。と。

大手週刊漫画雑誌は、そうは言っても文壇的なノリを引き継いでいる、まだ文化の担い手側の息づかいがあるんだな。と。
編集さん、文壇バーとかに行ってそうだし。
それに対し、ゲーム雑誌界隈ではぶっちゃけ同人誌とどこか違うんだ?的なノリのせいかも知れないですが、多分漫画家さんを先生と呼びづらい環境があるのではないかと。同人作家を先生と呼ぶべきかどうかという定義付けからはじまらなければならないし。とか?(笑)
大手週刊漫画雑誌はデビュー(雑誌掲載)という明確な境目があるけど、ゲーム雑誌界隈では、そういう境目はあいまいだからなー。
漫画家さんの側でも「先生なんておこがましい」って人多いだろうし。
ゲーム雑誌界隈の編集さんって文壇バーとかに行くのかな?(偉い人とかは別にして)

関係者に向かって「先生」という使い方は、正直、その分「古い」と感じてしまいました。
(だから悪いと言う意味では無いです。念のため)
単に違う環境に居るからそう思っただけかも知れませんし。
また逆に「作家さん」という言い方はクールだと思う反面、極めて商品的扱いだな。ともあらためて思いましたしね。
その辺りが「サブカルチャー」から「サブカル」への移行を象徴するような気がします。

何で「作家さん」って呼ぶのか、今度ゲーム雑誌の方の編集さんに聞いてみようっと。

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