内山まもる先生、ご逝去2011年12月02日 17時27分46秒

内山まもる先生の訃報が流れた。

小学館の学習雑誌やコロコロコミックでのウルトラマンシリーズのコミカライズで有名な漫画家さんだ。
その名を知らなくても、私と同世代の人なら、必ずその絵を見たことがあるであろう作家さん。
漫画誌ではない子供向け月刊学習誌でのコミカライズだと、ページ数も大してもらえない上に毎号読み切りという、作劇的には大変な悪条件(ウルトラマンが怪獣と戦いました。ハイ終わり。程度の話しか普通描けない)にもかかわらず、その中でキッチリと人間ドラマを描き込んでいる。というとても希有な作家さんで、
その洗練されたタッチと共に、ウルトラマンシリーズのコミカライズでは他の追随を許さなかった、子供心に「テレビよりコッチの方が本物だ」と思わせてくれた作家さんの一人だ。
特にウルトラマンの口のあの変な形状は、実は唇とアゴの形の記号化だったという解釈は、ウルトラマンのコミカライズにおけるひとつの頂点であると言い切れるほどに当時衝撃的だった。しかもその解釈で描かれた内山ウルトラマンのカッコイイことと言ったら。
(さらにはレッド族――ウルトラセブンとかだけは、何故か唇化されないで写実的に描かれるというその描き分けのこだわりも好きだった)

私が幼少期に、人生で初めて買った漫画単行本は石川賢氏のてんとう虫コミック版『ゲッターロボ』シリーズなのだが、
2番目に買ったシリーズが、内山まもる氏の『ひょうたん』だった。
野球よりケンカに明け暮れる中学生の主人公、日高兵太(ひだかひょうた)が通う武蔵中学に田宮先生が赴任し、野球部の監督に着任したことを切っ掛けに、真面目に野球に取り組むようになり、仲間と共に全国を目指す。というストーリー。
あらすじをこう書き出すと、何かよくある昔の野球漫画のように思えるかも知れないが、主人公の兵太はケンカ好きではあっても不良としては描かれておらず、イメージが明るくてさわやか。
田宮先生との師弟関係や、すみれやあざみやドングリといった兄弟家族との関係、またキャプテンやハンサムたち野球部員の関係が群像劇のようにも描かれており、野球を軸とした青春グラフィティと言ったところだろうか。
この当時、子供向け雑誌でここまでちゃんと少年ドラマを描いた作品は無かったように思える。いや、今でも無いであろう。
斬新というほどに派手さは無いが、流麗かつ真摯。そしてちゃんと作り込まれている作劇である分、懐が深い。
そんな作品。
序盤に、亡き父の思い出の歌として『おぼろ月夜』(♪菜の花に 入り日薄れ〜)を夕陽を観ながら幼い弟のドングリに唄ってあげるシーンは今でも心に残っている。
というか『おぼろ月夜』はこの『ひょうたん』で知りましたよ私は。

この『ひょうたん』は月刊誌『冒険王』に連載され、秋田書店の「サンデーコミックス」で単行本が5巻まで刊行されたが、何故かその後刊行が成されず、多分収録分の倍以上はあるであろう連載未収録分が読めないのが何とも悲しい。
『ひょうたん』の連載自体も長期に渡った分、完結させづらくなったのか第一部完として連載が終了している。
是非ともどこかで復刻して欲しいものだが、内山まもる氏の野球漫画は『リトル巨人くん』や『番外甲子園』の方が有名でファンも多いだろうから、復刻の順番的にも無理だろうなぁ。
絶対買うのに『ひょうたん』。

私が初めて買った漫画本の作家石川賢氏に続き、2番目に買った作家である内山まもる氏も鬼籍に入ってしまわれるとは……
何とも悲しいです。
『ひょうたん』の第二部はもう永遠に読めないのですね。
ご冥福をお祈りいたします。

(この日記は手元に資料がまるで無く記憶のみで書いていますので、間違いがありましたらご容赦ください。)

何故かいまさらTALIZMANネタ2011年12月15日 04時29分04秒

書き掛けて止まってる日記ってのがパソコンのデスクトップにいくつかありまして。
(日記はいきなりブラウザに書かずに、先にテキストファイルとして書くのです)
その中で、何故かTALIZMANネタばかりが書き掛けで溜まって行くため、とりあえず書き足してアップするコトに。
なのでこの日記のベースは2011年10月16日に書かれています。

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ウルトラマン80の主題歌を聴いてて、あらためてTALIZMANって実はカッコイイなぁ。と思った。
『超人ロック』のコミックイメージアルバムでTALIZMANを知ったワケだが、アレはもうとにかく歌詞がね(笑)という感じだったので、正当な評価を自分の中で下せてなかったみたい。
とはいえ、実はアニメ系楽曲ではない『ユア・ナンバー・ワン』のシングルも買っていたりするのだが、TALIZMAN。

当時は(ジャンルとか、大系立てた理解としての)音楽のコトがよくわからず、謳い文句に「アニメ系ジャンルに本格的なロックサウンドが取り入れられたことが画期的」とかあったので、「じゃぁ逆にアニメ系楽曲ではないTALIZMANの曲を聴けば本格的なロックサウンドの何たるかがわかるんだな」とか思って買った(笑)。
でも結局「コレが本格的なロックサウンド?」てな印象だったが(当時)。

多分、この頃のロックの印象って世良公則&ツイストだった(つまりロックンロール的なもののみがロックだと思ってた。←狭!)ので、自分。例えばゴダイゴをロックと言われてピンと来なかったみたいな。コレはポップスじゃないの?とか。

で、TALIZMANをググってみるとタケカワユキヒデとの絡みも多く、後にタケカワユキヒデのバックバンドもやってたみたいで、『ユア・ナンバー・ワン』からの印象にも通じ、なんていうかさもありなん、な感じ。
そんなトコロが、自分の中では楽曲の系統としてスペクトラム好きに通じるものあるなぁ。とか。

中学生時代、ベストテン番組でやるようなアイドルソングなんかをバカにして(でもベストテン番組くらいは観てた)、もっと誰も知らないようなスゴイ音楽を知りたい!とかいう思いからTALIZMANってどうよ?的に行ってみたワケだが……って、思いっきり中2病じゃんコレって。
や、実際リア中時代の話なんですが(笑)。
しかも、「誰も知らないようなスゴイ音楽を知りたい!」とか言ってて、とっかかりは『超人ロック』のイメージアルバムって、薄い!薄過ぎるぞ当時のオレ!

てな感じで自分の中で黒歴史化してたTALIZMANだけど、文頭のように、実は実力派でバンドとしてはメチャクチャしっかりしてたのでは?という再評価する動きが自分の中で起きています。
ボーカルの木村昇って『ウラシマン』の『ミッドナイト・サブマリン』とか『テクノボイジャー』のOP曲とか歌ってるHARRY(もしくはハーリー木村)だし。

やぁ、カッコいいですよ。TALIZMAN。

今月のお仕事2011年12月23日 06時59分21秒

良い時のコトもちゃんと書いておこう。
って、まぁ仕事の話ですが。

今月は全然日記書いてませんが、それは丁度1日から仕事が結構忙しかったからです。
(11月の半ば以降は鬱になるほどヒマだった)
日記書くヒマが無かった。
ココんトコ、口を開いては「仕事減った仕事減った」しか言わないので、自分で自分がイヤになってたのですが、今月はヨカッタです。

私は基本、月刊雑誌のレイアウトの仕事していますが、今月は飛び込みで漫画単行本の装丁の仕事をいただけました。
デザインって仕事は基本、裏方で名前が出なくて著作権も無いモノなのですが、エディトリアルデザイン(編集デザイン)系で、個人名が前面に出る可能性がある仕事って、本の装丁くらいなんですよ。
雑誌だとクレジットされても、誰がどこのページをやったのかまではわからないし。
だから本の装丁の仕事にはちょっと憧れてました。
ただ、小説とかだとビジュアルが無い分、デザイナーの力量でかなり左右され、オリジナリティーを発揮しやすいかと思いますが、漫画単行本だとビジュアルが既に決まっているため、自由度が低かったりします。
ま、逆に既存するイメージから如何に外さないで、より良くするか。が勝負になるワケですが。

漫画単行本の装丁仕事は以前に1度やったきりで、かなり久し振り。
とりあえず、がんばりました!
コレを足がかりに、単行本仕事が増えて行くといいなぁ〜。
凄く以前に日記で書きましたが(HPの方だったかも知れん)、
私の仕事の目標は
「石川賢と、仕事の上で対等に打ち合わせをする」だったので。
私の仕事だと、単行本仕事でのソレが一番ソレに近い道なのだと思うのですよ。
まぁ、石川賢氏は既に故人なので、もうそれも叶わぬ夢なワケですが。
いつかどこかで石川賢作品と仕事上で絡むコトがあるかも知れないし。
そんなワケで、単行本仕事が増えて行くといいなぁ~。

コレに関しては、来月あたりに——少なくてもmixiの方では——告知すると思いますので(現在入稿が終わったくらいで初校が年末から年明け)、皆さんどうぞよければ買ってやってください。
売れ行きが良くて次巻次々巻と出れば、少なくてもその仕事は私に来るでしょうから(笑)。
レギュラー仕事の方がやっぱり昔ほどもらえなくなってるので、コッチに光明を見い出したいのです。