奥州の遠野と平泉へ行ってきました。その3(10.23)2012年10月29日 23時05分04秒

 平泉には思い入れがありまして。

 さほど詳しくはないけど源義経が好きなので、20年ほど前にもテントを担いだバイクのソロツーリングで、平泉には来たコトがあったんですよ。
 あの時はまだGPX400Rに乗っていたんだっけなぁ。
 なので今回私は20年振りの奥州平泉。
 義経も藤原三代もあまりよく知らなかった奥さんには、前知識として川原正敏『修羅の刻』の七巻〜拾巻(源義経編)を旅行の前に読ませておいたので、予習もバッチリです。

 朝起きると残念ながら曇天。

 天気予報では全国的に大荒れとのコト。
 朝食を食べていると、とうとう雨が降り出してしまう。
 雨に降られるのは仕方ないとして、傘さして歩き回れるくらいだといいなぁ。と切に願う。

 バイキング形式の朝食は美味しゅうございました。
 やはりとろろがステキ。

 出立前にホテル全景……を撮ろうと思ったけど、雨だったり送迎バスがもう来てしまっていたりとバタバタで、入り口程度しか撮れませんでした。
 ホテル武蔵坊、良かったです。
 
 平泉では平泉町巡回バス『るんるん』で回るコトに。
 「1日フリー乗車券」を使えば 400円で、「平泉駅」から「毛越寺」「平泉文化遺産センター」「中尊寺」「高館義経堂」と平泉町内の主要観光地がほぼ回れるので便利。
「達谷窟」や「厳美渓」、「げいび渓舟下り」はそれぞれが結構離れた場所にあるので、今回はあきらめる。
 遠野みたいに観光バスを使えば何とか出来ないコトもなかったのですが。
 でもこれで正解だったかも。
 なんてったって、雨だし。
 お金を掛けずにのんびり回る方が丁度良いです。
 本当に大嵐になるようだったら、適当に切り上げるコトだって可能ですから。
 
 てなワケで、雨の毛越寺(もうつうじ)。

 本殿もご開帳をしてたので、中に入れました。
 が、そんなコトはどうでもいい。
 

 私は毛越寺の庭園が大好きなのですよ!
 20年前に平泉に来た時、毛越寺の庭園に惚れました。
 その広さといい、造形といい、それはもう至高の庭園です。
 毛越寺の庭園は中央にある池を周回する形で散策するのですが、たった一歩歩いただけで、視界が鮮やかに変化する造りになっているんですね。
 だから、ただ歩いてるだけで景色が次々と変わり、飽きないんです。
 雅やかと言うより、むしろ落ち着いた雰囲気なのも渋くてまた良し。
 そう。毛越寺に来るタメに、私は平泉に来たのです。
「毛越寺よ、私は帰って来た!」














 そんな思いの丈を伝えてみようかと、毛越寺の庭園の写真をだーっと並べてみましたが、伝わりませんかねぇ。
 私が大好きな毛越寺の庭園のニュアンスが。
 雨だし、私の写真が下手だし、というのもありますが、やっぱ2次元に置き換えてしまうと伝わらない何かが出て来てしまうんですね。特撮展におけるZATの<スカイホエール>みたいに。
 違うんだよ、こーじゃ無いんだよ。
 もっと毛越寺の庭園はスゲー素敵な癒し空間なんだよ。
 『へうげもの』風に言うと、庭園歩いてると、何か「はふ〜」って感じになるんだよ。
 なので、私の言ってる意味が知りたい人は、ぜひ毛越寺に行って、庭園のすばらしさを体感してください。

 この建物なんか、茅葺きなのにてっぺんの紋だけ金だったりとか。オシャレ。


 このベンチは私が20年前に寝転んで自分の写真を撮った、思い出のベンチ。

 その時に近いアングル。

 こういう景色の良い所で寝転がってぼーっとしてるのって幸せですよね。
 今回は雨だったので出来ませんでしたが。
 私は毛越寺の庭園でなら、1日中ぼーっとしていたいです。
 そのくらい清涼たる空気が流れている庭園なのです。


 良いスポットには良い何かが集まるのでしょうか。
 毛越寺の駐車場の一画にある、『毛越寺門前直売 あやめ』
http://burarioshu.exblog.jp/17736843
 で「弁慶のわらじパン」を買いまして、パンの中に漬け物が練り込まれていて、これがなかなか美味しかったです。
 しかしそれ以上にここで買ったキュウリの漬け物がメチャ旨!!
 惣菜的に1パック100円で売ってたのを、わらじパンのお供に買ってバスの待合室でつまんでたのですが、あまりの美味さにもう1パック買っておみやげにしてしまいました。
『漬け物処 きら里』が出品しているものらしいので、毛越寺に行かれたなら、ぜひココで「キュウリのからし漬け」を食べてみてください。
 からし漬けとは言っても全然からくないですよ。
 オススメです。
 
 
 次に「平泉文化遺産センター」に寄る。
 何故なら無料だから。
 建物も展示内容も立派でしたが、ほぼ同時に入って来た団体客のオヤジが大声で話しててうるさかった。
 奥さんはココで『吾妻鏡』の名前を覚えたらしく、やたら「吾妻鏡」を連発してました。
 

 そして中尊寺。
 世界分化遺産にも指定されているお寺で、金色堂が有名。
 マルコ・ポーロが『東方見聞録』でジパングを黄金の国と言ったのは、この中尊寺金色堂を聞き知ったからという説がある。
 というくらい、平泉観光の中心になるのがここ中尊寺。
 奥州藤原三代の象徴でもあるし。
 中尊寺、キライでは無いですが、やっぱ私は毛越寺の方が好きだなぁ。

 参道入り口近くには武蔵坊弁慶の墓の碑があります。

 そして参道。
 傾斜がきつく、登るのが大変。

 顔出し看板があると、必ず顔を出す人が居ますよ。

 これは弁慶堂。
 中尊寺の参道には小さなお堂がいくつも点在しています。

 参道中腹から見た景色。

 そして中尊寺本殿。 
 金色堂は撮影不可のため、写真はありません。

  その金色堂ですが、立派は立派でスゲーとは思うんですが、ガラスだかクリアパネルだかで四方を囲われてしまっているので、ちゃんと見えないんですよね。
しかもちょっと離れた距離で囲われているので、見ててリアル感にも乏しいし。
 触らしてくれとまでは言わないけれど、もっと舐めるように見れないと意味ないなー。と思いました。(20年前にもそう思ったコトを思い出した)
 そういう意味で、舐めるように見れた特撮展は流石だったなぁ。(展示物の値段があまりにも違いますけどね)
 柱の表面の漆工芸とか、触れる分だけ日光東照宮の方がいいかも。
 とか思わせてしまう分だけ、展示方法に難があるのはもったいないです。

 中尊寺を降りて来て、昼食というか軽食。
 「弁慶のわらじパン」を食べてしまっていたのであまりお腹が空かず、ずんだもちとじゅうねんもちで済ますことに。


 そして最後の観光スポット、高館義経堂(たかだちぎけいどう)へ。
 ここは義経が自害した場所とされている所。

 この義経堂へ向かう道から見える風景が、松尾芭蕉の「夏草や 兵共が 夢の跡」の句を本当に彷彿とさせ、何とも言えぬ感慨に浸らせてもらえます。
 毛越寺に次いで、好きな場所です。(20年前から)
 
 義経堂のお社。中を見ると

 義経さんが居ます。

 お社の脇から見た北上川。
 義経さんも同じ景色を見ていたんだなぁ。
 最終的に藤原泰衡に襲撃される事になってしまいましたが、この素晴らしい景色が見える場所をあてがわれていたことを鑑みると、義経は奥州藤原氏には大事にされていたんだなぁ。と、思えてなりません。

 といった感じで、奥州平泉を満喫し、帰路につきました。
 雨に降られた1日でしたが、土砂降りというほどひどくは無く、傘をさしていれば何とかなる程度の降ったり止んだりのお天気だったので、雨もまた風情があったと言い換えることが出来るかと。
 その程度の降りで良かったです。

 夕飯は旅の余韻的に、駅弁を買って家で食べるコトに。
 東京駅には東北のお弁当も売ってますので(笑)。
 どぶろくは遠野のお土産。
 キュウリは「毛越寺門前直売 あやめ」で売ってた「からし漬け」です。
 ほやの燻製は行きの新幹線で買ったヤツですね。
 結局おみやげになってしまいました。

 そうそう。
 何故ほやにこだわってるのかと言うと、20年前に平泉に行った時、宿は一ノ関で
取ったのですが、夕飯は街の居酒屋に入ったのですね。
 そこの板前さんと話してると、私の田舎の近所に修行に来ていたコトがあるとのことで「漁師町の出なら、コレ食べれるでしょ」と、ほやの刺身を出してくれたのです。
 田舎ではほやを食べたコトが無かったので、その時初めて食べたのですが、それがなんとも不味いコト不味いコト(笑)。まんま生だし。
 その時は漁師町出身のプライドだけで何とか食べ切りました。
 んで、不味いとは言うものの、この手のヤツはいかの塩辛とか牡蠣とか、唐墨とかみたいにそのクセに慣れてしまうと逆に大好物な旨い物になってしまったりもするので、はたして20年後の自分にはどう感じるのだろうか?と思っていたワケですよ。
 平泉旅行にはそんな裏テーマがあったのです。
 ようやく、ほやの燻製を食べる時が来ました。
 食べたら、全然普通に食べれましたね。
 燻製加工の上に味付けもされているので、すごく食べやすくなってます、コレ。
 ただ、20年前に感じた不味さの象徴である苦みは味の中に確実に存在していたので、次はやっぱ生刺しに挑戦して、本当の所を判断するしかないかな。と。

 コレは「めぐり号」の車内販売で買った、「遠野物語めぐり号トミカ」

 遠野では『水木しげるの遠野物語』の単行本も買ってまして、なんか最近やたら水木先生と縁があります。
 『ゲゲゲの女房』とか深大寺とかめぐり号とか。
 『鬼太郎』にはハマらずに来たので、実際の所『水木しげるの遠野物語』が水木マンガ初購入作品だったりします。私。
 その『水木しげるの遠野物語』ですが、『遠野物語』をとても読みやすく水木マンガ化しているので、『遠野物語』入門にはオススメの1冊になってます。
 それとは別に、奥さんが遠野の観光案内所で買った高柳俊郎/著『やさしい『遠野物語』入門』の小冊子は100円だったのにもかかわらずとても良い内容で、『水木しげるの遠野物語』と合わせて読んだら、なんかすごい勉強になりました。コチラもオススメです。
 むう、柳田國男の『遠野物語』もちゃんと読まないとな(←実は持ってる)。

 というワケで、充実した3日間でした。
 遠野にも平泉にも、また行きたいよ〜。
 


コメント

_ ひろz ― 2012年10月29日 23時20分14秒

書くの忘れてた〜!
中尊寺宝物殿の脇にある売店で、「ふるさとモーちゃん のむヨーグルト 」を飲んでたんですが、コレが濃厚でスゲー美味かったんですよー!
岩手でならそれなりにどこでも飲めるみたいなので、岩手行った人はぜひ飲んでください。150mlが150円で安いし。

ふるさとモーちゃん のむヨーグルト
http://www.jafurusato.or.jp/modules/pico/index.php?content_id=63

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