奥州の遠野と平泉へ行ってきました。その2(10.22)2012年10月28日 23時14分23秒

 遠野と言えば柳田國男の著書『遠野物語』が有名ですが、もうひとつ別の『遠野物語』があるのをご存知でしょうか?
 それがあんべ光俊の楽曲『遠野物語』
http://www.youtube.com/watch?v=e-0X166F-_U


 もうかれこれあんべのファンになって28年くらいになりますが、ようやく遠野に来るコトが出来ました。
 何とも感慨深いです。
 なので、あんべの『遠野物語』に沿って、この遠野日記は展開して行きます。

『遠野物語』の歌詞
http://www.uta-net.com/song/40595/


 「あえりあ遠野」の朝食。バイキングでした。とろろが嬉しいですね。

 「あえりあ遠野」の外観。

 新しく立派な建物です。壁が薄いのか、隣の部屋の声が聞こえて少々気になりましたが、とてもキレイなホテルでした。遠野に来たらまた泊まりたいホテルです。
 
 「あえりあ遠野」から遠野駅に向かう道すがらの風景。


 こんな街並みなら観光スポットめぐりとは別に、1日かけてそこら辺をぶらぶらと歩くのもすごく楽しそうだと思え、ちょっと後悔。
 ウチら夫婦、旅行先で現地を意味もなくただ歩くの好きなんですよ。
 2日間とも遠野泊にすればよかった。

 そして遠野駅について一言。
「しまった! せっかく駅までの道を歩いて来たのに、青いリンゴをかじって無いっ! てか、もう青リンゴなんて買いに行ってるヒマがっ!」
 
 車を持っていない私たちは、「遠野物語めぐり号」という観光バスで遠野観光を
する予定だったので、地元のスーパーを探して青リンゴを入手してるヒマは無かったのですね。

「遠野物語めぐり号」
http://www.hayachinebus.co.jp/tono.html

 この「遠野物語めぐり号」、柳田國男の『遠野物語』100周年を記念して、2010年から運行されているそうで、新しくてキレイでした。
 遠野に行ったタイミングが良かったですね。



 バスのラッピングデザインもなかなかカッコ良くてステキです。
 私はこのデザイン大好きです。

 先に言ってしまうと、観光はこの「めぐり号」を利用して大正解!
 料金は1日5000円と、ちと高いですが、昼食付きだし、各施設への入場料込みだし、と考えるとそこまで悪くもないような。
 何よりガイドさんの案内が素晴らしいので、遠野初心者はまずこの「めぐり号」で遠野に触れてから。というのが本当ににオススメ。
 「めぐり号」イチオシです。

「めぐり号」に入るともらえるシール。


 これが各施設の入場証代わりになるので目立つ所に貼っておきます。

 午前の一つ目は「南部曲り屋千葉家」からスタート。

 ここは江戸時代の南部地方特有の、住居と馬屋を平面L字形に連結した農家建築「曲り家」を代表する建物で国の重要文化財。
 現在も人がちゃんと居住しています(千葉さんでいいのかな?)が、一部を観光施設として解放しているのでお金を払えば中に入って見学するコトが出来ます。





 中にある農耕具や大工道具を見ると「なんか昔のウチの実家を見てるよう」なデジャビュをを感じてなりません(笑)。

 曲がり屋から見た景色。のどかでいいですね〜。

「今でも曲がり屋、残ってたよー。残ってたよー。残ってたよー。(←エコー)」


 次は「五百羅漢」

 天明の大飢饉による餓死者を供養するために、天明3年(1765年)に大慈寺の義山が山中の自然石に500体の羅漢像を刻んだもの。 羅漢像は絵画のような線彫り。





 実は「五百羅漢」は知らなかったので、ツアーでこんな山道を歩かされるとは思ってもいませんでした。スニーカーで行ってて良かった。
 そして天気も良くて良かった。ぬかるんでるだけで、目も当てられない状況になりそうな山道です。
 山の神秘さも相まってこの一帯は空気が凛とした感じでした。


 次いで「卯子酉(うねとり)様」

 かつて「淵の主」が住み、その主に男女の縁を祈願すると叶うという縁結びの神社。祠の前にある木々の枝に、左手だけで赤い布を結びつけることができたら、縁が結ばれると云われるらしい。


 ガイドさんに促されるまま私もやってみましたが、バスの出立時間に追われて結局右手も少し添えてしまったり、もう結婚してるんで縁結びも何も無かろうと「お仕事ください」と仕事の縁を願ってしまったりと、ちょっとぐだぐだ。


 午後に入って「カッパ淵」

 かつてカッパが多く住み、人々を驚かしたという伝説がのこる場所。全国唯一のカッパ狛犬で知られる常堅寺の裏手を流れる小川の淵。

 ここがそうか〜って感じでしたが、確かにカッパが棲んでそうな雰囲気ありますねぇ。

 やはりカッパはキュウリで釣るみたいです。

 こんな風に。

 そして!
 何とカッパ発見!!

 カッパがキュウリでカッパを釣ろうとしてました(笑)。

 カッパ狛犬は諸事情で観れませんでした。

 お寺があればお墓もある。

 沖縄旅行以降、ちょっとお墓のデザインが気になるようになりまして。
 最近のではなく昔のお墓の。
 ココの地方のお墓は下側がやや細めになった円筒形をしてるみたいですね。


 そして「伝承園」でお昼。
 「伝承園」は野外博物館で、園内施設としては菊池家住宅(国の重要文化財に1976年指定された南部曲り家)、佐々木喜善記念館、御蚕神堂(養蚕の神「オシラサマ」1000体を安置)、染工房、工芸館、公民館がある。あとお食事所。
 ココでのお昼も美味かったです。
 今回の旅行、食べ物関係にハズレ無しだなぁ。

 真ん中の団子が2つ入ったお椀の汁は単なるお湯なので、中の団子だけ食べてください。と先にガイドさんから注意がありました(笑)。

 腹ごなしに「伝承園」の中に入って見学。


 茅葺きの曲がり屋や小屋が園内に建ってる。
 その内の公民館だったかな?に子供の遊技道具が置かれていて、お手玉やけん玉と一緒にメンコもあった。

 ……が、何故か妙に程度の良い80年代テイストなメンコばかり(笑)。
 まぁ、古いメンコらしいメンコは今さら集めようと思うとプレミア付いてて高いだろうからなぁ。

 湯殿が離れにあったり湯船が桶だったりと、昔の実家を思い出させるなぁ。

 ウチはさすがにトタン屋根でしたが。

 そうそう。こんな手押しポンプもあった。

 さすがに水車はありませんでしたが。

 1000体いるというオシラ様。

 というワケで、
「ここにも曲がり屋、残ってたよー。残ってたよー。残ってたよー。(←エコー)」



 そして最後に「福泉寺観音堂」

 真言宗豊山派の寺で、木彫として日本最大の大観音像で知られるらしい。

 あんべの歌に出てくる名称の中で、「笛吹峠」はちょっと遠いので行くのをあきらめてて、「すすきの野辺」はどこだかわからない。
 つまり「古い曲り家」以外に具体的かつ確実に存在する場所が「福泉寺」なワケで、そういう意味では一番確実にあんべの『遠野物語』を堪能出来る場所。なのです。
 なのですが、正直「しょせん田舎のお寺でしょ」的に期待はまったくしてませんでした。
 あんべフィルターがなければ見るに及ばない、凡百なそこいらのお寺とたいして変わらないであろうと。
 それがなんと!!
 来てみてびっくり!!
 スゲー立派なお寺でした。


 ぶっちゃけ、次の日に行こうとしてる中尊寺に向こうを張れますよ?
 金色堂が無いだけで。(歴史も1912年からとちょっと浅いけど)
 こんなスゲー寺がマイナーに埋もれてるなんて!
 さすが東北あなどり難し。

 福泉寺から一望する遠野盆地。

 丁度この白衣観音がある一画だけ見事に紅葉していて、綺麗でした。
 時期尚早のため諦めてた紅葉狩りも、謀らずしも堪能。



 五重塔も顔を出します。

 あ、写真撮影が不可だった大観音像ですが、見上げるパース以上に顔がやたらでかかったです。

 行程を終え、駅に向かうバスの中でガイドさんが
「この旅を、それぞれの心のページに書き込んでいただけると云々」と言っていたのが、あたかも
「遠野の町に 白い日記をボストンバッグにつめて来た僕に 昔々のおとぎ話でページをうめてくれた君」の歌詞に微妙に符号し、
「ページを埋めてくれた<君>はガイドさんだったんですか!」とか、ワケのわからないコトを声に出してしまいそうになりました。
 歌詞の文脈からだと「ページを埋めてくれた<君>」は「昔々のおとぎ話を語ってくれた<語り部のおばあちゃん>」になるんですけどね。(←違います)

 そんな「遠野物語めぐり号」の1日でした。

 てな感じで。
 時間も慌ただしく遠野を去ると、釜石線で花巻に向かい、そこから東北本線に乗り換え、一路平泉へ。
 花巻駅では乗り換えの待ち合わせが30分以上あったので写真を撮ってみたり。



 花巻駅もターミナル駅なのに、意外に何もなさげな感じ。
 東北で映画館のある街って何処なんでしょうか?(←映画館のある街が栄えてる街の証明だと思ってる)
 
 平泉に着くとまたも陽は落ちてました。
 
 平泉での宿は「ホテル武蔵坊」

 築40年くらいな感じだけど、ちゃんとしてるホテル。
 ちゃんとしてるホテルは気配りもしっかりしてて、ありがたいなぁ。
 食事も豪華で美味しかったです。
 特に前沢牛のしゃぶしゃぶ!
 肉やわらかかったぁ〜。

 炊き込みごはんも美味くて大満足。

 晴天にめぐまれ、一番充実した2日目でした。



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