●都電荒川線ぶらり途中下車の旅—その1—2010年02月23日 19時51分50秒


先週の土曜日の220日、都電荒川線ぶらり途中下車の旅を奥さんと二人でして来ました。

切っ掛けは「くもじい」が活躍する空撮番組『空から日本を見てみよう』で、都電荒川線めぐりをやった回がありまして、それを観た時に「ぶらり旅でもする?」という話が出たから。なのですが。


実は昔、都電荒川線沿いに住んでいた時期があるんですよ。


停留所名は(路面電車なので「駅」では無く「停留所」)「東尾久三丁目」。

同世代なら知ってるかも知れませんが、『天才たけしの元気が出るテレビ』で一瞬有名になった「熊野前」(商店街)の隣の停留所。

田舎から東京に出て来て初めて住んだのがこの町でした。

浪人時代の1年間しかココには住んでいなかったので、かれこれ25年くらい町屋(千代田線だと一番近い駅は荒川の「町屋」だった。地名的には「町屋」の方が人にわかってもらいやすい)には行ってないのかー。

ついでだから昔住んでたアパートが今どーなってるのか見に行ってみんべーか。

と、「あらかわ遊園行きたい」とか言ってる奥さんを尻目に、個人的タイムスリップな旅を密かに画策してみました。


浪人時代の予備校は「東池袋四丁目」にあった<英進予備校>に通ってたので(とはいえ実は荒川線では通って無かった(笑)。「町屋」から千代田線で「西日暮里」、山手線で「池袋」に行ってた。田舎者には逆に路面電車って何だかよくわかんなかったのよ。今考えれば何でそんなコトしてたのやら? って感じ)、ホントはそっちの方にも行きたかったのだけれど、乗り換えの関係で「大塚」からぶらり旅はスタート。


「庚申塚」の停留所に併設されている甘味処で昼食。

『空から日本を見てみよう』の番組で650円と紹介されてた焼きソバとおはぎのセットは、番組が間違ってたらしく750円でした。

私はソバめしとおはぎのセットを頼みましたが、なかなか美味しかったです。

都電荒川線のサイトには停留場近辺の情報がマップ付きで紹介されているので便利なのですが、

http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/stations/index.html

「芥川龍之介のお墓がある。行きたい」と言われ、プリントアウトしたマップ片手に慈眼寺へ。

ていうか、別に観光地化されてるワケでは無いので、なんてことは無い単なるお墓参りです。


「飛鳥山公園行きたい。東京ゲーテ記念館行きたい」と言ってたものの、

時間的に無理くさくなって来たため、本命の<あらかわ遊園>を目指すことに。

「荒川遊園地前」停留所から歩いて数分の所にある<あらかわ遊園>は小規模な遊園地。

ぶっちゃけ小学校低学年層に合わせた遊具やアトラクションが多く、家族向けといったところ。

相変わらずオシャレなトコには行きません私たち夫婦。

ディズニーランドとかにでも行けばいいのに(笑)。

入場料が大人200円と安いので、なんも気兼ね無く入園。

アトラクション自体は結局観覧車に乗ったくらいしかしなかったのだけど、結構楽しかったです。

荒川の街を見下ろすコトってそうそう無いですよ。

園内で飼ってるウサギや羊、ヤギなんかと触れ合えたりしました。


本命を先に済ませた後、停留所ちょっと戻って「梶原」。

1日乗車券(400円)を買っているので行ったり来たり乗り放題。

『空から日本を~』の番組内で紹介された<都電もなか>を買うために梶原商店街を散策……するまでもなく、商店街の入り口にそのお店はありました。

せっかくなの商店街も散策。

下町の古びた商店街というイメージまんまな商店街。

でもまだちゃんと商店街として機能している所がいいなぁ。

奥さんは、私が子供の頃によくあった、投入した10円玉自体をパチンコみたくはじき続けてゴールに運ぶという『ドライブゲーム』をやるも玉砕。


そして「荒川車庫前」。

ウチの奥さん、言うと本人は目を剥いて否定するんだけどほのかに<鉄ちゃん>でして(笑)。(<鉄ちゃん>=鉄道好き)

オタク的に深いワケでは無く「なんか好き」程度のようですが。

(だって前回「江ノ電」で今回「都電荒川線」ですよ。充分<鉄>じゃん(笑)。<乗り鉄>と<撮り鉄>)

なので都電の荒川車庫で車両と一緒に記念撮影。

まったく何をやってるんだか。という感じです。


●都電荒川線ぶらり途中下車の旅―その2―2010年02月24日 11時54分57秒


そして「東尾久三丁目」。

私としてはコッチこそ本命。

もう25年近く前のコトもあり、アパートの場所がどこかわからずに迷う。

とりあえず、窓を開けるとお墓が目の前に広がっていた。という記憶を頼りに歩く。

ココでもないココでもないと迷った末、ありました。

いや、ありませんでした。

駐車場になってた。

そりゃそうだよな~。

オレが入居した時点で築何年かわからないほどのボロのアパートだったからなぁ。

フロ無しトイレ共同、木造アパートの四畳半一間で月1万5千円だもん(笑)。

(ちなみに時代としてはトレンディドラマ華やかなりしバブル絶頂期です。一般の家賃相場って今と同じくらいじゃないかな。下手したら今より高いかも? なのに月1万5千円(笑)。どんだけボロなアパートか想像がつくかと)

そんな物件、もう物理的に残って無いですよ。

駐車場になってたそこの土地を見て、思ったのは「意外と狭いなぁ」

記憶だと、建物の入り口の前には少しだけだけど庭っぽいスペースもあったし、四畳半とはいえ部屋数も廊下挟んで4部屋と3部屋(1部屋少ないのは階段スペース)もあった2階建てだったんですよ。

なのに更地になるとこの狭さって。

やっぱ四畳半一間って狭いんだなぁ。

そんな部屋によく住んでたなぁ。

冷蔵庫とラジオしかなかったもんなぁ。オレの部屋。


フロ無しトイレ共同のアパート。

と言えば生活に必要になってくるのは当然銭湯なワケで。

あの時代はそれでもまだ銭湯がギリギリ普通に生き残ってた時代。

フロ無しでもそれなりに生活できたのです。

そしてココのアパートの良さのひとつは、銭湯が近かったコトなんだよな~。

というワケでもうひとつの目的の行きつけだった銭湯を探すコトに。

で、コッチは簡単に見つかりました。

そしてそのその銭湯は、なんと『空から日本を見てみよう』の番組内で<もじゃえんとつ>と紹介されていた<やまと湯>さん!

いや~、テレビで見た時に地理的にもなんかそうじゃないかと思ってたんですよね~。

私はココの銭湯に通ってました。

25年振りにまさかこんな邂逅があるとは。


「東尾久三丁目」から「町屋駅前」まではよく歩いていた道だったので、色々と思い出しながら散策。

ココ、あの当時もあった店だ~。とか言いながら。

なんつーか、あの当時が走馬燈のように浮かんでは消え浮かんでは消え(笑)。

右も左もわからない状態で東京に出て来たはいいものの……みたいな記憶がオーバーラップしてしまいました。

お父さんお母さん、結局その予備校も半年くらいしか通いませんでした、本当にごめんなさい。みたいな。

でも、そうして大学に全部落ちたから、東京デザイナー学院行くコトになったおかげで、かろうじて生活出来てる程度ですが今の自分があるんですよ。みたいな。

(こうしてネット出来るパソコンだって買えてる自分が。みたいな)

なんなんでしょうね、人生って。


「町屋駅前」を歩いているとぼちぼち日も暮れて来たので、「三ノ輪橋」で夕食を取ろうかな?と、都電荒川線の終点へと向かう。

この区間は東尾久在住当時乗ったコトが無かったので、ぜひとも乗っておきたかった区間。

ココで乗っておかないと、多分これから先、ずっと乗らないような気がするので。

食べ物屋の情報も入れずに「三ノ輪橋」まで来たため、めぼしいお店が見つからなかったので帰りやすさも考え結局「町屋」に戻り、見つけていた<町屋情熱ホルモン>に入る。

<(地名+)情熱ホルモン>という看板のチェーン店。

「290円から」が謳い文句なこの店、新宿三丁目でも見付けていたので気になってたんですよね。

が、やっぱ安売りを標榜する店ってそれ以外の部分で元を取ろうという価格設定にしてしまうので(量が少なかったりとか、他の物が微妙に高かったりとか)結果、ココのお店は私のオススメ店である<溝の口ホルモン>ほど安くなりませんでした。

やっぱ<溝の口ホルモン>(で店の前に居るあんちゃんからサービス券もらって入る+豚ホル&鳥ホル系ばっか食べる)が最強(笑)。

二人で5千5百円だったので、この日一番お金を使ったのが結局<情熱ホルモン>だったという始末です。

こんなコトなら25年前に通ってて今でも残ってた、500円くらいで食える食堂でビール付けて飲み食いした方がヨカッタかな~? とか思ったり。


とか、そんな感じの都電荒川線ぶらり途中下車の旅な一日でした。

色々懐かしかったです。